従業員から役員に昇格する場合、この書類の提出は「労働者」としての立場を卒業し、「経営者」側の一員となることを象徴する重要な転換点となります。

委任関係への移行と重い法的責任
会社法上、役員と会社との関係は雇用契約ではなく「委任関係」となります。これにより、労働基準法による保護(残業代や不当解雇規制など)がなくなる一方で、会社に対し「善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)」や「忠実義務」といった極めて重い責任を負うことになります。

この誓約書では、法令や定款の遵守はもちろん、万が一任務を怠って会社や第三者に損害を与えた場合の賠償責任(株主代表訴訟のリスク等)を認識し、承諾することを明記します。

コンプライアンスとガバナンスの要
現代の企業統治(コーポレートガバナンス)において、この書類には以下の条項が含まれることが一般的です。

1. 競業避止義務・利益相反取引の禁止:個人の利益のために会社の利益を犠牲にしないことの確約。
2. 機密保持の厳格化:経営上の重要機密に対する高度な守秘義務。
3. 反社会的勢力排除条項:自身が反社会的勢力と一切関係がないことの表明保証。

また、就任に伴う登記申請(法務局への届出)においても、就任承諾書の一部としてこの誓約書の内容が法的根拠となる場合があります。