「擬制自白」による敗訴の回避
訴状を受け取った被告は、指定された第1回口頭弁論期日の前に、必ずこの答弁書を提出しなければなりません。もし被告が答弁書を提出せず、かつ裁判の期日にも欠席した場合、法律上「原告の言い分をすべて事実として認めた」とみなされます(これを「擬制自白」といいます)。その結果、自動的に原告の請求通りの判決(敗訴)が出てしまい、給与や預金の差し押さえなどを受ける危険性があります。したがって、たとえ反論の内容がまだ固まっていなくても、「請求の棄却を求める」という意思表示をするために、期限内に提出することが絶対条件となります。

初期対応としての記載事項
答弁書には大きく分けて2つの要素を記載します。1つ目は「請求の趣旨に対する答弁」で、通常は「原告の請求を棄却する」「訴訟費用は原告の負担とする」という判決を求めます。2つ目は「請求の原因に対する認否」で、訴状に書かれている事実一つ一つについて、「認める(事実である)」「否認する(事実ではない)」「不知(知らない)」のいずれかで回答します。詳細な反論は後の準備書面で行うとしても、まずはこの答弁書で「争う姿勢」を明確にすることが、自己の権利を守るための第一歩となります。