出向先としては、子会社、関連会社、あるいは提携先企業などが一般的です。

出向は勤務地、業務内容、指揮命令系統が変わるなど、従業員の労働環境に重大な変更をもたらします。そのため、たとえ就業規則に出向規定があったとしても、トラブル防止の観点から個別に同意を得ることが実務上強く推奨されています。

文書の構成と労働条件の明示
この書類では、出向者に対して以下の条件を詳細に明示し、同意を確認します。

基本条件:出向先企業名、出向期間(延長の可能性含む)、勤務地、部署・役職。
処遇:賃金の支払い元(通常は出向元)、給与額の変動有無、賞与の基準、福利厚生の適用範囲、退職金の勤続年数通算について。
労働時間:出向先のカレンダー(休日)や始業・終業時刻に従うことの確認。

二重の忠実義務と誓約
出向者は、出向元と出向先の双方に対して義務を負う複雑な立場になります。そのため、誓約部分では以下を約束させます。

・出向先の就業規則および服務規律を遵守し、出向先の指揮命令に従うこと。
・出向先で知り得た機密情報を漏洩しないこと(出向元への報告義務との線引き)。
・出向元企業の代表としての自覚を持ち、誠実に勤務して出向先の業績向上に貢献すること。

このプロセスを経ることで、従業員の不安を払拭し、出向の目的(スキルアップ、組織活性化、経営再建など)を共有することが可能になります。