入社誓約書(にゅうしゃせいやくしょ)は、日本の人事労務管理において新入社員が会社組織の一員となる際に最初に取り交わす、極めて重要な基本文書です。
労働条件通知書や雇用契約書が「会社が社員に提供する条件(賃金や時間)」を主軸としているのに対し、この誓約書は「社員が会社に対して負う法的・道義的義務」に焦点を当てています。
法的背景と目的
日本企業における雇用関係は、単なる労働力の提供と対価の交換にとどまらず、長期的な相互信頼関係を基盤としています。この文書はその信頼関係を形式化するものです。
署名することで、社員は会社の憲法とも言える「就業規則」および諸規定を熟読し、その内容に包括的に拘束されることに同意したとみなされます。これは、将来的に懲戒処分などを行う必要が生じた際、会社側が「ルールを周知させ、本人が同意していた」ことを証明する決定的な根拠となります。
主要な誓約事項の詳細
一般的に、以下の項目について厳格な約束が求められます。
1. 経歴の真正性:提出された履歴書や職務経歴書、面接時の発言に一切の虚偽がないこと。日本では学歴や職歴の詐称は、信頼関係を破壊する重大な背信行為とみなされ、解雇の正当な理由となり得ます。
2. 服務規律の遵守:上司の業務命令に従うこと、職場の秩序や風紀を乱さないこと、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を徹底することなど、組織人としての行動規範への同意。
3. 損害賠償責任:故意または重大な過失によって会社に損害(金銭的損失、信用の失墜など)を与えた場合、その損害を賠償する責任を負うことの確認。
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