この書類は単なる事務手続きの一部ではなく、従業員がプロフェッショナルとして、また組織の一員として、高い倫理観を持って業務にあたることを会社に対して厳粛に宣誓する儀式的な役割も果たしています。
近年では、情報セキュリティやコンプライアンスの重要性が高まっていることを背景に、その記載内容は年々詳細かつ厳格化する傾向にあります。
現代的な構成要素と重要条項
従来の一般的な遵守事項に加え、現代のビジネス環境に対応した以下の条項が含まれることが標準的です。
1. 秘密保持義務(守秘義務):在職中はもちろんのこと、退職後においても、会社の営業秘密、技術ノウハウ、顧客情報、個人情報を第三者に漏洩・開示しないこと。これにはSNSでの発信規制なども含まれます。
2. 職務専念義務:就業時間中は私事を行わず、会社の業務に全精神を集中させること。これには、勤務中の私用スマホの過度な利用や、許可のない副業の禁止が含まれます。
3. 反社会的勢力との関係断絶:暴力団等の反社会的勢力と一切の関係を持たないことの表明。これは企業のコンプライアンス維持において必須の条項です。
4. 知的財産の帰属:業務遂行過程で生み出した発明、考案、著作権などが、原則として会社に帰属することの確認。
労務管理上のリスクコントロール
万が一、従業員が横領、情報持ち出し、ハラスメントなどの問題行動を起こした場合、この誓約書は懲戒解雇や損害賠償請求を行うための重要な証拠書類となります。
したがって、企業はこの書類の回収を必須としており、未提出のまま業務を開始させることはリスク管理上避けるべきとされています。