例えば、個人事業主としての開業、他社の役員就任、あるいは顧問契約の締結などがこれに該当します。

政府による「働き方改革」の推進により、副業・兼業を容認する企業が増加していますが、無条件の解禁は企業にとって情報漏洩や過重労働のリスクを伴います。この書類は、従業員のキャリア自律を支援しつつ、企業の正当な利益を守るための重要なフィルターとして機能します。

審査基準と申告内容
会社はこの申請書に基づき、主に以下の3点を厳格に審査します。

1. 利益相反の有無:兼業先が競合他社でないか、会社の顧客を奪う形にならないか、独自のノウハウが流用されないか。

2. 本業への支障:兼業による長時間労働が本業のパフォーマンス低下や健康被害(過労)を引き起こす恐れがないか。労働基準法上、労働時間は通算されるため、会社は兼業先の労働時間も把握する義務があります。

3. 企業ブランドへの影響:兼業先の内容が公序良俗に反したり、本業の社会的信用を毀損したりする可能性がないか。

誓約事項によるリスクヘッジ
承認される場合でも、従業員は以下の事項を誓約します。

・会社の資産(PC、会議室、名刺、経費、社内人脈など)を兼業活動に一切流用しないこと。
・本業優先の原則を守り、兼業を理由に残業拒否や業務の質の低下を招かないこと。
・状況の変化により会社が許可を取り消した場合、直ちに兼業を中止すること。

特に専門職や技術職の場合、技術流出のリスクが高いため、この書類による事前の詳細な取り決めが不可欠です。