世界中のユニークで教育的な玩具(おもちゃ)を日本の子どもたちに届けるビジネスは、大きな可能性を秘めています。
しかし、玩具、特に乳幼児が使用するものは、子どもの安全に直接関わるため、複数の法律によってその安全性が厳しく管理されています。
海外から玩具を輸入して販売する事業者は、主に「食品衛生法」と「消費者製品安全法」という二つの法律の規制を理解し、製品が日本の安全基準に適合していることを証明する責任があります。
これらの法的手続きをクリアしなければ、輸入・販売は認められません。
乳幼児向け玩具に適用される「食品衛生法」
「なぜ玩具に食品衛生法が?」と疑問に思うかもしれません。
これは、乳幼児が玩具を口に入れたり、なめたりする可能性を考慮しているためです。
食品衛生法では、6歳未満の乳幼児が対象となる玩具を「指定おもちゃ」として定め、食品と同様の安全基準を適用しています。
主な規制内容:
- 材質規制: 玩具の本体に使用されるポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂から、有害なフタル酸エステル類が溶出しないこと。
- 塗料規制: 玩具の表面に塗られている塗料に、鉛やカドミウムなどの有害な重金属が含まれていないこと。
輸入時に必要な手続きと書類:
販売目的で「指定おもちゃ」を輸入する場合、食品の輸入と同様に、貨物が到着する港や空港を管轄する
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jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">厚生労働省検疫所に「食品等輸入届出書」を提出する必要があります。
この際、製品が上記の基準に適合していることを証明するため、以下の書類の提出が求められます。
- 試験成績書: 海外の公的な検査機関や、日本の厚生労働大臣の登録を受けた検査機関が発行した、材質試験や塗料試験の結果を記した証明書。この試験成績書を事前に準備しておくことが、スムーズな通関の鍵となります。
- 製品の仕様書・成分表: 使用されている材質や塗料の詳細がわかる書類。
これらの書類がない場合、検疫所の指示で貨物の一部をサンプリングし、国内の検査機関で試験を行うことになり、結果が出るまで輸入許可が保留されるため、時間とコストが大幅にかかります。
すべての玩具に関わる「消費者製品安全法」
食品衛生法が化学的な安全性を主に見るのに対し、物理的な安全性(形状、強度など)については、「消費者製品安全法」が関わってきます。
この法律は、製品の欠陥によって消費者に危害が及ぶことを防ぐことを目的としています。
特に、重大な事故を引き起こす可能性のある製品については、国が定める技術基準に適合していることを示す「PSCマーク」の表示が義務付けられています。
玩具の中では、特定の種類のものがこの対象となります。
自主基準としての「STマーク」
法律による規制とは別に、玩具業界には
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jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">一般社団法人 日本玩具協会が定める玩具安全基準「STマーク」があります。
これは法律上の義務ではありませんが、日本の玩具市場で広く認知されている安全の証です。
STマークは、物理的な安全性(機械的・物理的特性)、可燃性、化学的特性の3つの側面から厳格な基準を設けています。
多くの小売店は、STマークの付いていない玩具の取り扱いを避ける傾向があるため、日本市場で本格的に玩具を販売するには、STマークの認証を取得することが事実上不可欠と言えます。
認証を取得するには、指定された検査機関で製品の試験を受ける必要があります。
玩具の輸入は、対象年齢や製品の特性によって適用される法律や基準が異なります。安全基準に関する詳細は、消費者庁のウェブサイトも併せて確認し、計画段階で専門の検査機関に相談することが重要です。